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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

販売当初から受け継がれる「描くことを楽しんでもらう」精神 自由画教育から始まった100年間

サクラクレパス「クレパス」

(左)1925(右)2025

「クレパス」が生まれた1925年は、画家・山本鼎が提唱する自由画教育運動の真っ最中。手本の模写が中心だった図画教育から「見たまま、感じたままの絵を自由に描く」教育へと方向転換する時期だった。そんななか、日本独自の画材として誕生したのが、クレヨンとパステルを組み合わせた造語を商品名とした「クレパス」だ。

発売後、「棒状絵の具の大革命」と称され好評を博したクレパス。この成功の裏には、普及に向けた地道な活動があった。「クレパス」を発売した当時から、美術に精通した営業担当者たちが「クレパス」を持って全国の学校を訪問。教員に向けて「クレパスでどんな絵が描けるのか」「それによって子どもたちはどのように楽しめるのか」を実演して回ったのだ。

「モノを売るだけでなく、描く楽しさや商品を使うことでできる体験を伝える。この方針は会社設立時から変わらず、続いています」とサクラクレパス営業本部マーケティング部広報の大塚さゆり氏は語る。

このような活動の結果、長年愛されてきた「クレパス」。一方で、多くの人が学校の卒業と共にブランドから離れてしまい、「懐かしい」ものと認識されるという課題も生じていることを受けて、幅広い年齢層への…

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