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世界の広告マーケ費、23年は4%増 日本を除き12月までに回復

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五輪や大統領選に期待

米調査会社PQメディアは3月8日、2023年の世界の広告・マーケティング市場は前年比4%増の1兆6310億ドルだったと発表した。同社によると、成長率としては2015年以来の最低水準という。インフレに伴う景気後退の懸念から、企業が予算を削減したとみる。2024年は、パリ五輪や米大統領戦の影響を受け、23年比7.7%増の見込み。

広告分野は前年比2.6%増の7328億9000万ドル、マーケティング分野は同比5.1%増の8976億9000万ドルだった。オンライン広告などへの支出は10.4%増の同比8244億6000万ドルとなった一方、いわゆる4マスメディアなどの従来メディアへの支出は同比1.9%減の8061億2000万ドルと明暗が分かれた。市場成長をけん引したのはスマートテクノロジーマーケティング、ストリーミング動画、ポッドキャスト、デジタルOOH、インフルエンサーマーケティング、体験型マーケティングだった。

2024年は拡大の見込みで、23年12月までに日本を除くほとんどのブランドが、主な世界市場での広告やマーケティング予算を増額し、クリスマス商戦に合わせて広告を投下。ロシアによるウクライナ侵略の影響を受けた燃料価格を除き、インフレ率が落ち着きを見せていることも後押しとなった。

米調査会社ニールセンの推定によると、24年2月の米フットボールリーグ優勝決定戦「スーパーボウル」の視聴者数は、前年比7.5%増の1億2370万人で、史上最多となった。米3大テレビ局のひとつCBSによる放送で、動画配信サービス「Paramount+」での視聴者も含む。

「もし2024年の『スーパーボウル』の視聴者数が消費者の視聴習慣の指標となるならば、ブランドは、デジタル、ストリーミングによるパリ夏季オリンピックの放映にも高額を投じると私たちは考えている」(PQメディアのパトリック・クインCEO)

パリ五輪や米大統領選挙は、従来型メディアへも反転攻勢の機会となりそうだ。五輪の主要競技はテレビのプライム帯で放送となるほか、PQメディアは、米大統領選挙の政治広告費を140億ドルと予測。過去10年間で政治資金調達は拡大しており、2016年のほぼ2倍の規模になるという。

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