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経済学の視点

校風の比較経済分析

山村英司氏(西南学院大学)

複数均衡としての慶応義塾、早稲田

経済学では社会の状態を「均衡」と見なす標準的な考え方がある。社会成員が全員合理的に行動すれば、最終的に無駄のない効率的な社会が実現し、社会がひとつの均衡に収束する。

しかし実際の社会には多様性が存在する。比較的最近の経済学ではこれを「複数均衡」と呼ぶ。複数均衡の例として、校風の違い※1がある。この世の大学が早慶2校から構成されていると仮定すると、均衡がひとつなら早慶ともに同じ校風に。複数均衡なら2校に均衡がひとつずつあり校風は異なる。重要なのは個人の個性の違いではなく、入学するとその校風に染まってしまうことだ。

※1 単純な経済学上は...

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