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経済学の視点

共同体としての慶應義塾と、その父、福澤諭吉

山村英司氏 西南学院大学 経済学部 教授

福澤諭吉は元祖コピーライター?

夏の甲子園優勝で、湧き返る慶應関係者。その様子に、慶應関係者以外の人たちが冷たい視線を送る。メディアを通じて慶應への称賛と批判が報道される。この世は、「塾生、塾員(慶應の在学生とOB・OGの正式名称)」vs「部外者」の2つの集団から構成される(気がする)。

経歴にもあるように、私は早稲田大卒なので「部外者」である。ある時、私の曾祖父が福澤諭吉の門下生だったこと知った。39名ほどの曾祖父の同期には池田成彬(三井財閥総帥)をはじめ、財界の著名人がいた。これがきっかけで、慶應独特の規範がどのようにして形成されたか、福澤諭吉の時代までさかのぼって、経済学的に分析し始めた。私は研究上、慶應大の慶應義塾史研究のエキスパート集団に非常にお世話になっている。とは言え「部外者」の私は研究会に参加すると慶應独特の行動様式や考え方などを体感する。フィールドワークの一環と言えよう。

私の研究関心は、「慶應義塾」という謎めいた集団の経済分析。極論すれば「慶應義塾」は「教育機関」ではないし、「塾員」は「卒業生」ではない。「慶應義塾」は鉄の結束を特徴とする「共同体」であり、「塾員」は「共同体メンバー」である。塾員がつくる「三田会」は「OB・OG組織」ではなく「共同体」の…

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