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地域メディアの現場から

『地域密着』で視聴率V字回復 関西の食文化を盛り上げる

MBS毎日放送『水野真紀の魔法のレストラン』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    MBS毎日放送『水野真紀の魔法のレストラン』
    放送日 毎週水曜19時~20時
    放送開始 2001年4月
    放送エリア 近畿広域圏
    出演者 水野真紀、長野博、ロザン(宇治原史規・菅広文)

    人気のコーナー

    20周年記念2時間スペシャル
    「マホレス×日清カップヌードルコラボ」
    (2021年11月3日放送)

    20周年特別企画で日清食品「カップヌードル」とコラボ。番組ゆかりの一流料理人たちが1年におよぶ試行錯誤を経て完成させた、コラボヌードルの全貌や開発秘話を公開。個人平均視聴率の過去最高を更新した。

    食のプロが選ぶ!〇〇ランキング
    グルメ誌のライターや一流料理人、百貨店のバイヤーといった関西グルメを知り尽くした“食のプロ”にアンケート調査。「京阪神ホンマに美味しい洋食店」「後世に残したいグルメ遺産」などをランキングで発表する。

    行列ドキュメント24時
    本線や地下鉄御堂筋線などの沿線や地域でエリアを絞り、早朝から深夜まで行列グルメを捜索。「なぜこんな時間にこんなところに行列ができているのか」を紐解いていく。

「食に関するおいしい情報、グルメで人を幸せにする」がコンセプトの料理情報番組『水野真紀の魔法のレストラン』(MBS毎日放送)。水野真紀が「オーナー」としてMCを務め、最旬の関西のグルメ情報や、関西を代表するシェフによる「おうちごはんレシピ」などを紹介している。

ターゲットはファミリー層で、30~60代女性がメイン視聴者だ。

日常生活の延長線上に鉱脈

2001年の放送開始以降、関西の食文化を盛り上げてきた同番組。しかし、スマホの台頭とともにグルメ番組は厳しい時代を迎えることとなる。

2018年からプロデューサーを務める京原雄介氏は、着任当時の状況についてこう振り返る。「SNSや『食べログ』といったグルメレビューサイトが普及し、2017年頃からテレビを見ずとも手元のスマホですぐに様々な情報が手に入るように。グルメ番組は軒並み不調で、『魔法のレストラン』の世帯視聴率も5%台まで落ち込んでいました」。そんなときに、過去に同番組のディレクターを担当したことがあった京原氏に声が掛かったのだ。

番組立て直しの命を受けた京原氏は、企画内容のリニューアルに着手する。それまでは高級店や海外の料理など普段見られない珍しいグルメを取り上げていたが、それらはSNSでも見ることができる。そうではなく、行列が絶えない人気店や生活に根付く身近なエリアへと取材対象をシフトした。特集名は「北摂VS堺 自慢の行列店対決ベスト5」「大阪環状線行列ドキュメント24時」といった具体的なエリア名や沿線名を入れることで地域密着感を演出。

また取材対象から外すことが多かったチェーン店についても、企業努力やメニュー開発の裏側を紹介する企画を実施。視聴者が番組を見て「その店に行きたくなる」ような内容へと方針転換した。

「裏番組には全国ネットの2時間特番が並び、キー局よりも予算が少ない中でどう戦うか。“日常生活の延長線上”にこそ鉱脈が...

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