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成長が続く店の条件

出店コストを最大3分の1に ウェンディーズが始めた新たな店舗スタイル

紫関 修氏(ウェンディーズ・ジャパン/ファーストキッチン)

ウェンディーズ・ジャパンは2022年9月、トレーラーの上にコンテナを載せた新たな出店スタイルの展開を開発した。同店舗が出店コスト削減を実現し、ドライブスルーを導入した理由とは。今後の展望と共に、ウェンディーズ・ジャパン/ファーストキッチン代表取締役社長 紫関 修氏に話を聞いた。

ファストフードを展開するハンバーガーチェーン ウェンディーズ・ジャパンは昨年、神奈川県平塚市に新形態の店舗をオープンした。同店は、一般的に貨物を運搬するトレーラーの上に、輸送コンテナを載せた新たな出店スタイルだ。コンテナ内にキッチンや客席を備え、ドライブスルーにも対応した。

これは、「トレーラー型」とよばれる、新たな店舗展開。撤退時の取り壊しが不要でリユースが可能なことから、出店コストを抑えられる見通しだ。同社はこの独自のトレーラー型店舗を全国に展開したいとしている。

客席用のコンテナは「スライドアウト方式」を採用。輸送時は空間を車内に収納し、設置時には広げた状態にすることで、床面積を拡大できる。輸送時の運搬コスト削減にもつながるとしている。

新たな店舗スタイルが地方の集客課題を克服

今回、トレーラー型店舗に至った主な理由は2つあると、紫関氏は話す。1つは出店コストの削減、もう1つは郊外への出店強化だ。

通常、新たに店舗を開店する際は、飲食店があったテナントの居抜き物件に出店するケースが一般的だ。しかし、同社が拡大を目指すドライブスルーの設備が整った居抜き物件はなかなか見つからない状況だった。また、一からドライブスルー型店舗をつくり上げたところで、費用対効果が見込めないと予想していた。

さらに、出店には路面店やフードコートなど複数のタイプがあるが、同社は競合店と比較してもロードサイド店舗の開拓に課題があった。そのため、コストを削減しながら、郊外にドライブスルー型を出店したい同社が編み出した形こそ「トレーラー型店舗」だったのだ。「運営はまだ始めたばかりですが、初期投資を抑えられることから、今後店舗を増やしていくことでコスト面のメリットがさらに広がっていくと思っています」(紫関氏)。

今回、使用したコンテナはそれぞれ、キッチン、レジカウンター、客席用の計3個。通常の店舗に比べて、外装費も抑えることができる。内装はフォーマットをつくることで、今後拡大する際のコストカットを進めていきたいとしている。...

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