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経済学の視点

ピカソ、紙切れ、グーグル、お花。

鎌田雄一郎氏(カリフォルニア大学バークレー校)

4つのオークションルールにまつわる衝撃的事実

世の中には、様々なオークションがある。

まず、先月稿で紹介したピカソの絵のオークション。入札者たちがだんだん値段を釣り上げていき、誰も何も言わなくなったら終わり。最後に値段を言った人がその額を支払い、絵を手に入れる。これを、「競り上げオークション」と呼ぶ。絵画の販売の他には、インターネットの売買サイト(ヤフオク!など)でも使われている方式だ。

次に、紙箱オークション。各入札者が紙切れに名前と金額を書き、箱に入れる。箱を開けて、最高値を書いた人が勝ち。その額を払い、商品をゲットする。これは「一位価格オークション」と呼ばれ、たとえば公共事業の入札などに応用されている。でも、なぜ「一位価格」と呼ぶのか。それは「二位価格オークション」なるものが存在するからだ。

二位価格オークションは、一位価格オークションと同じように進行する。勝者も同じように決まる。しかし勝者は、自分の書いた額ではなく、箱の中にある2番目に高い金額を支払う(1番高い金額は、自分の書いた額だ)。

「いやいや、そんなことをしたら、売り手に払われる額が減ってしまうではないか?なぜそんなことをするのか?」と思われるかもしれない。しかし、よく考えてみよう。一位価格オークションでは、入札者はもし自分が・・・

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