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「知る」と「買う」の間にあるものとは何か?

「誰」のために届けるか?マーケティングKPI設定のポイント

藤原尚也氏(アクティブ)

「消費者に働きかける」「消費者の行動を喚起する」ことを目的としているはずのマーケティング施策が、ときには社内の調整、社外ステークホルダーへの対応のための施策になっている場合もある。きちんと消費者に向かったKPIを設定するには、どうしたらよいのか。長年デジタルマーケティング施策に携わってきた藤原尚也氏が解説する。

誰がお客さまなのかが分かっていない場合もある

マーケティング戦略のベースをつくるためには、「商品」「顧客」「チャネル」の3つの軸があります。

この時、どれだけ複雑なマーケティング手法が現われてデバイスが変わってチャネルが変化しても、「誰(顧客)」に「何(商品)」を買ってもらうかという登場人物に変化はないと考えます。

ここで皆さんが最も見失いがちなのが、「誰に」というゴールです。

当然のことのように聞こえますが、しっかりと「お客さまを決める」ことが、意外とできていない。そこから逆算して、自分たちの商品やサービスがいかに、その人たちの課題を解決したり、生活を豊かに・楽しくさせたりするのかを考えていくのです。

かつてはもっと物の売り方はシンプルで、店舗の様子も分かり、何がどれくらい売れていたか、皆が同じ数字をなんとなくでも理解していました。お客さまは誰なのか。実感を持って目の前の仕事に取り組むことができたので、目的を見失うことはありませんでした。販売チャネルが多様化している今、個々のチャネル別の目標が設定されていることがほとんど。この時にお客さまさえも不明瞭だと、一つひとつのコミュニケーション施策に落とし込むことが困難になります。

購買ファネルが複雑化するにつれて、企業側の部門も細分化されていきました。この時、自分の業務範囲内でのKPIが達成できればよしとされ、KGIとの連動が不明瞭になっていくのです。

本来は、一つひとつの商品がどこでどのように売れたかと、プロモーションの業務をひと続きに考えなくてはいけません。BIツールでなくとも、Excelでもよいので、個々の業務とKGIがつながるデータを、逐次閲覧できる環境が理想的です。

例えば、テレビCMのGRPや放映枠、Googleトレンドの結果、SNSのインプレッション数、SEO経由のコンバージョンレート等と、店舗・エリアの売上げを比較する。1時間ごとにデータを取って、何の施策がどう売上に影響したかを紐づけていきます。

また少し視点は変わりますが、KPIが上手く機能しない理由のひとつとして...

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