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ヒットの仕掛け人に聞く

電子レンジでも冷たく調理できる「冷やし中華」で新境地開拓

ニチレイフーズ

個食需要の高まりに着目したニチレイフーズが2022年3月から発売を開始した冷凍食品「冷やし中華」。メディア、SNSを中心に電子レンジで調理しても冷たく仕上がるという驚きのある商品特徴の拡散に成功し、世代を問わず購買者を増やしている。

    DATA

  • 商品名:冷やし中華
  • 希望小売価格:オープン価格
  • 主な販路:主にスーパーマーケット

パーソナルユースのニーズに応える新商品として誕生

──「冷やし中華」誕生の背景を教えてください。

当社では近年、パーソナルユースに着目した開発を進めています。人口や世帯当たりの人数減少を背景に、冷凍食品市場でも一食完結型の商品が販売量を伸ばしています。

パーソナルユースというのはメニューのカテゴリーではなく、主に「1人前規格の主食や主菜」を指します。冷凍の麺類、なかでもラーメンはパーソナルユースとしても成長分野になっています。しかも、冷凍のラーメンはカップやチルドと比較しても、製造や流通の過程で伸びにくいため、麺の品質がより良く表現できます。そのため、1人前をレンジで簡単に調理できる麺の検討に入りました。

──検討の結果、冷やし中華が選ばれた理由は。

冷凍麺では、しょうゆや味噌といった王道のラーメンよりもちゃんぽんや五目あんなどが売れ筋です。その理由は、王道系はカップやチルドでも多数商品化され、競合が多いことと、冷凍食品は具材をよりリッチに表現できることではないかと考えています。私たちはさらに、これまで市場にないものを提供しようと考え、冷やし中華にチャレンジすることにしました。

商品
「冷やし中華」は、ニチレイフーズの「個食麺」シリーズ第1弾として2022年3月発売された。氷は電子レンジの影響を受けにくいという特性を利用し、調理後も氷が残ることで冷たく仕上がることが特徴。23年のリニューアルでは具材が5種類に増えた。また、23年は「冷やし中華(ごまだれ)」も発売される。「個食麺」シリーズはほかに「極太つけ麺」、「カレーうどん」がラインアップされている。

電子レンジの影響を受けにくい氷の特徴を生かして実現

──最大の特徴はレンジ調理でも冷たく食べられることでしょうか。

そこが一番のこだわりです。冷やし中華という料理は、見た目以上に調理の手間がかかります。麺を茹で、冷水でしめ、具材を切って盛り付ける。この商品はその手間を電子レンジで調理してタレとまぜ、具材を盛り付けるだけという簡単な工程で済ますことができます。

──レンジ調理でも冷たい商品はこれまでにもあったのですか。

詳細は不明ですが、過去に、既存の発想ではない商品開発を目指してチャレンジしたことはあるようです。製品化には至りませんでしたが、氷が電子レンジにかけても溶けにくいという特性を生かした手法はこのときの経験が生かされています。

今回、冷やし中華の製品化が社内構想としてあがったのは5年前くらい、実際の開発には3年ほどかかりました。

──ターゲット層の設定はされたのでしょうか。

年代は特に決めず、単身世帯をイメージしました。シーンとしては...

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