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EDITOR'S CHECK

婦人之友社ほか、注目のデザインの裏側

LOGO
婦人之友社

  • AD+D/関本明子
  • D/佐藤真子

婦人之友社は4月3日、建業120周年と雑誌『婦人之友』(創刊から約5年間は『家庭之友』)の創刊120周年を迎えた。これを記念し、初めて同社のロゴを制作。アートディレクターを務めたのは関本明子さんだ。

『婦人之友』は、日本初の女性新聞記者となった羽仁もと子と夫・吉一が「家庭から社会へ」という理念のもと、いかに家庭生活を楽しく合理的に過ごすかを世に伝えようと生まれた雑誌だ。歴代の表紙絵は、藤田嗣治や奥村土牛らが手がけたことでも知られる。“読者の悩みに応える”という思いや繋がりを大切にしてきた歴史があり、読者コミュニティ「全国友の会」は現在も世界中に支部を持っている。

「今回、ロゴと英字のマークをデザインするにあたってイメージしたのは、竹久夢二の詩と絵『手をつなご』。1914年から約30年にわたり婦人之友社が出版していた子ども向け絵雑誌『子供之友』に掲載されていたものです。羽仁さんの思いを受け継ぎ、“繋がっていく”ということをコンセプトに、文字同士が繋がり軽やかな動きのあるデザインにしました」(関本さん)。

書体は、繋がっているデザインが目立つように、游ゴシックやヒラギノをベースに、あまり強弱がなくシンプルで癖のないものに。社名と雑誌名で同様のデザインを使用するため、雑誌の上方だけでも書店などで目に留まる個性的なデザインにした。モノクロにしたのは、書籍や出版物への掲載機会が多いことに加え、ジェンダーの線引きを感じさせないようにとの想いから。

「婦人向けの雑誌はビジュアルメインのものも多いですが、『婦人之友』はその逆で文字が多く、社会問題を扱うこともあります。他のメディアとも一線を画す存在なので、売り場でも他とは違う目立ち方になるよう工夫しました」(関本さん)。

新たにロゴをつくることで、“婦人之友社らしさ”という情報発信の目印になった。「もちろんロゴをつくったからといって、急に何かが変わるというわけではありません。活用しながら次の世代に繋げることで、ロゴ自体も一緒に育っていくもの。どう活用するかを考え続けることが大切だと思います」(関本さん)。

PACKAGE
「イチバのハコ」ギフトチケット

(こはく)

  • AD+D/奥村ゆい
  • I/西原楓、AKIYO

石川県金沢市の近江町市場で扱う魚介類や野菜などの食材を詰め合わせたお取り寄せ商品「イチバのハコ」を企画・販売するこはく(金沢市)は3月15日、「ギフトチケット」のパッケージを刷新した。ギフトチケットは、用途に合わせて「イチバのハコ」を贈り物にできるサービス。チケットを受け取った人は、印字されている二次元コードから...

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