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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

グリーン豆50周年 新たな時代にふさわしい豆菓子ブランドを目指す

春日井製菓 グリーン豆

(左)1973(右)2023

キャンディ、グミキャンディ、ラムネなど、菓子類の製造販売を手がける春日井製菓の豆菓子ブランド「グリーン豆」は1973年に誕生。2023年で50周年を迎えた。

1951年に豆菓子の製造を開始した同社は、豆を使用した商品のバリエーションを増やすべく様々な豆で試作品を開発。そのひとつとして生まれたのが、えんどう豆を使用した「グリーン豆」だった。当時は、豆菓子というと落花生を使用したものが主流。えんどう豆をお菓子にするという発想の独自性から、「グリーン豆」は注目され生産を拡大。小腹を満たすおやつや晩酌のおつまみなど、様々なシーンで気軽に食べられるお菓子として認知を広げてきた。

ロングセラーブランドに成長した「グリーン豆」だが、ロングセラーゆえの顧客の固定化などにより、2000年代に入ると売上が横ばいの状態に。そこで同社では、2018年にマーケティング部を新設。それまでは商品開発部が兼務していたマーケティング業務を独立させることで、消費者目線も取り入れた商品開発やブランドとしてのコミュニケーションの強化を進めている。

こうした転換を経て迎えた「グリーン豆」誕生50周年では、商品のリニューアルを実施。昨今の健康志向の高まりや、FAO(国際連合食糧農業機関)がSDGsの観点で豆の有用性について言及するなど、“豆”への期待が高まっていることも踏まえ、「グリーン豆」ブランドの大幅刷新に踏み切ったという。

マーケティング部で今回のリニューアルに携わる柴田由香氏は、「過去にもリニューアル案は何度か浮上したものの、顧客離れの懸念から断念していました。ブランドに関する勉強会を開くなど、社員の意識改革を経て実現したこの機会を逃さずに、『グリーン豆』のさらなる認知拡大を図りたいと思います」と思いを語った。

視点01 商品・ラインアップ
豆の旨みを際立たせる製法を追求した商品開発

えんどう豆が素材の「グリーン豆」は、シンプルな塩味の定番商品のほか、「塩わさび味」やそら豆とのアソート商品、食べきりサイズのスリムタイプ「スリムグリーン豆」もラインアップしている。50周年を迎えるにあたり、「グリーン豆」は中身とパッケージをリニューアル。中身については、新しくフランスのロレーヌ産岩塩を使用してこれまで以上に豆の味を引き立たせた。

パッケージデザインはブランドのシンボルカラーであるグリーンを基調とし、現代化させたロゴと、鮮やかな豆のシズルが目を引くデザインに仕上げた。こうした工夫の裏には、豆のポテンシャルを知ってほしい、素材の良さ、魅力がつまった豆菓子を...

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