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長寿企業の極意・周年イヤーの迎え方

グループシナジー創造の土壌を育む、川田グループの100周年

川田テクノロジーズ

社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

川田テクノロジーズや橋梁・鉄構を担う川田工業など8社からなる川田グループが創業100周年を迎えた。

同グループには川田工業から派生した企業と、M&Aにより加入した企業があり、帰属意識への温度差があったという。「実際に100周年を迎えるのは川田工業ですが、グループの一体感醸成とグループシナジー構築のため、『川田グループ』として100周年を迎えることをコンセプトとしました」と話すのは、100周年プロジェクト事務局リーダーを務める多田勝仁総務部長。

そこで、施策では「歴史」と「グループ」を知り、“川田らしさ”とその未来について考えることを意識。また、社史や記念品はつくらないと決めていたという。

外部公開しているものの、アニバーサリーサイトのメインターゲットはグループ社員。グループの歴史や、各社の歩みなど「社員にこそ伝えたいこと」を丁寧に紹介している。

横のつながりを重視

「100年の技術的なエポックメイキングは、すでに当グループのテクニカルレポート『川田技報』で取り上げていたので、グループの成り立ちや年表をアニバーサリーサイトに集約しました。何かモノを残すよりも、グループ社員同士のパイプをつくることに注力しようという思いがありました」と、川田太郎グループ経営戦略室長は施策の狙いを語る。

その意図を最も体現した施策が、グループ各社の20~30代の若手社員18人によるワークショップ。「FRONTI∞R(フロンティア)」と名付けられたプロジェクトメンバーは、6回のワークを通じてグループの歴史を学び、メンバーとの相互理解を深め、グループの魅力や課題を掘り下げていった。また、グループ共通の“川田らしさ”を表現する100周年記念ロゴ案制作や、2030年の川田像についての発表などを実施。

「社員研修以外でのこうした取り組みは初めてでしたが、ルーツを知ってブランディングを考える過程で各自が自社のあり方や存在感を見直すきっかけになったのではないかと思います」(多田氏)。「経営の多角化によってグループ他社の事業を知らない社員もいましたが、今回、各社事業や通底する部分を知ったことで、『グループシナジーのヒントが得られた』という声もありました」(川田氏)。

FRONTI∞Rのメンバーは、グループ全社に配布する社内報でグループ社長へ...

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