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米国広告マーケティング事情

画像生成AIによるブランドコラボ、消費者は支持も商標管理に課題

松本泰輔

複数企業によるブランド・コラボレーションが、ここ数年盛んになっている。従来はブランド融合に時間がかかっていたが、高度なAI画像生成AIツールの登場により、瞬時にコラボを実現する手法が今、アメリカで話題となっている。

伝統的なナイキ×ティファニーのコラボ シューズ&アクセサリー発売

ナイキとティファニーは1月30日「両社のコラボによるシューズ“ナイキ×ティファニー Air Force 1 1837”と、スターリングシルバー・アクセサリーを3月7日から発売する」と発表した。Air Force 1 1837は、黒のスエード地にナイキのアイデンティティであるスウッシュロゴがティファニー・ブルーで描かれている。アクセサリー類はティファニー伝統の重厚なデザインに両社のロゴが刻まれており、エクスクルーシブ感を漂わせている。

ティファニーのInstagramリール「A Legendary Pair」では、Air Force 1のデザイン細部を紹介している。これは伝統的なブランドコラボの一例であるが、以下に紹介するのは、現代のAI技術を駆使した新世代のコラボ例である。

(1)ナイキ×ティファニー 公式コラボシューズ「Air Force 1 1837」

ティファニー公式Instagramに公開されたリールでは、コラボシューズのデザイン細部を見せている。右2点はアーティストRICKDICKによるAI版ナイキ&ティファニー・コラボシューズ。Instagramで公開されると「オリジナルより1000倍かっこいい」「今すぐ買いたい」「商品化してほしい」など1,000件以上のコメントが殺到。

AI画像生成アプリによるブランド・マッシュアップが流行

既存の情報・画像・映像などをデジタル加工して新たな価値を創作することを、英語でMashup(マッシュアップ)と呼ぶ。SNSで人気のアーティストのRICKDICK氏は、ナイキとティファニーのコラボが発表されるや否や、AIによる独自のデザインを発表し、話題に。オリジナルデザインのAir Force 1のイメージをさらに発展させた作品は「オリジナルよりかっこいい」「これらのデザインが発売されないとわかっているのは悲しい」など称賛の声が相次いだ。

RICKDICK氏はこの他にも独特なアートを製品化する会社MSCHF(ミスチーフ)のヒット商品Big Red Bootsとアップル社のAirPodsを合体させた“AirBoots”、高級ブランドのグッチと大衆的なサンダルBIRKENSTOCKとのコラボシューズ、マクドナルドとナイキを合体させた「マックナイキ」などをAIでつくり、“想像上の製品”として紹介している。同氏は「以前はフォトショップで同じことをやっていたが、AIの方が断然早く、より驚くものができる」と...

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