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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

花王の「バブ」40周年 「健康」で「楽しい」お風呂体験を追求

花王 バブ

(左)1983(右)2023

1983年に誕生した花王の薬用入浴剤「バブ」は、2023年に発売から40周年を迎えた。

すでに市場に入浴剤カテゴリが存在している中、「バブ」は温泉の炭酸泉の効能に着目。「炭酸ガスを効率よくお湯に溶かしこみ、肌に浸透させ、血行促進効果を高める」という新しい切り口の入浴剤をつくるべく、お湯内の炭酸濃度を濃くする方法を追求。湯面に浮き上がらないような形状・重量の調整や、細かな泡が長時間かけて発泡するような工夫など、試行錯誤を重ねて開発された。

「お湯に色や香りを付けるだけでなく、入浴に“健康”という概念をとり入れたことで、『バブ』は支持を得ることができました。発売時の記録には、『バブ』の購入者は、『以前から他の入浴剤を使っていた人が75%いたが、25%は新たに入浴剤を使い始めた人であった』というデータも残っており、入浴剤市場に新しい風をもたらしました。当時は、大量のサンプリングを実施したほか、発売翌年の1984年に開催されたサラエボ冬季オリンピックの出場選手に提供して使っていただくなどにより、まずは体感していただくことを重視した販売戦略をとっていました」と「バブ」のブランドマネジャーを務める仲田実沙希氏は話す。

発売以降、時代の移り変わりに伴う生活者のライフスタイルの変化に合わせて商品ラインアップを拡張してきた「バブ」は、温浴効果に加え、炭酸のリラックス効果、発泡する視覚的な面白さなど、お風呂時間を楽しんでもらえるブランドイメージを訴求してきた。

近年は浴室にスマートフォンを持ち込んで動画を見たり、半身浴を楽しんだりと、湯船に入る時間が以前よりも長い傾向も見られるという。お風呂が果たせる役割はまだまだあると話す仲田氏。これからも生活者の実態をキャッチアップし、健康で楽しい入浴スタイルを提案していく。

視点01 商品・ラインアップ
お風呂に“健康”と“楽しさ”を提供する商品開発

「バブ」は定番商品の「バブ ベーシック」を軸に、この40年で時代の変化に合わせ、目的、用途など機能性も加えた商品を展開し、入浴剤の付加価値を高めてきた。2000年以降は、従来の商品よりも炭酸濃度が高い“高濃度炭酸”シリーズも展開。「バブ」の独自価値である血行促進による疲労回復を追求した商品を提供している。

また「バブ」では、“健康”に加え、入浴に“楽しさ”を提供するラインアップの拡充にも挑戦。2019年には、人魚姫などヨーロッパの童話を題材に、物語の中の4つシーンから想起した香りを詰め合わせ、パッケージのデザインでも世界観を表現した「物語バブ」シリーズを発売。2020年には...

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