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通信と放送が融合する時代のテレビCM活用

効果分析とバイイングをひとつの部署に 最適な広告投資に向けたロッテの取り組み

大藪龍司氏、清水典子氏(ロッテ)

ロッテでは2022年9月に、メディアプランニングに関する役割を移管する組織体制の変更を行った。同社ではどのような考えのもと、この役割移管を行ったのか。また、今後のテレビCM枠のバイイングに対する考えとは。コミュニケーション戦略課に所属する2人に話を聞いた。

バイイング・検証を一気通貫 ダッシュボードの整備を推進

メディアの多様化や取得可能なデータ種類の増加、新たな効果指標の誕生といった変化は、企業の組織体制にも影響を与える。

ロッテでは、2022年9月にマーケティング本部 情報クリエイティブ部内において、組織の役割を変更。出稿データや購買データなどを含む、各種データの整備・分析を行っていた「コミュニケーション戦略課」内に、テレビを中心とした広告施策のバイイング機能を移管した。

「もともと、バイイングの機能は同じ情報クリエイティブ部内の『宣伝企画課』が担っていました。しかし、バイイング機能と検証機能が分かれていたことで、検証結果を次のバイイングに十分に生かし切れていないといった課題がありました。今回の機能移管により、バイイングから分析まで一気通貫で行えるようになりました」と、コミュニケーション戦略課の大藪龍司氏は話す。

このような組織の役割変更を経て、現在、コミュニケーション戦略課が注力的に進めているのが、ダッシュボードの改良だという。ダッシュボードには、ロッテのすべてのブランドにおける、広告出稿データやSNSデータ等のコミュニケーションに関するデータ、POSデータ等の販売データといった、マーケティングに関連するデータが集められている。ダッシュボード自体は2022年4月から活用を進めていたが、今回の役割変更に伴いブラッシュアップを行っているという。

同じくコミュニケーション戦略課に所属する清水典子氏は、この取り組みについて次のように話す。

「テレビCMに関しては、以前は放映後のアンケート調査などで効果を測っていましたが、この手法は視聴者の記憶に依存している点や、強制視聴下でのアンケート調査で...

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