プライバシー保護の新たな打ち手「データクリーンルーム」とは?
今年6月、AppsFlyerは同社のソリューションにおいて「Data Clean Room(以下データクリーンルーム)」の機能をリリースした。すでに日本でも同機能は、一部の先行企業において活用可能となっている。
データクリーンルームとは企業が持つ1stPatyデータの活用を進めるため、データ内の個人を特定しない形で、第三者が持つデータと統合分析できる環境のこと。世界的な個人情報保護の流れの中で生まれた、いま注目の技術である。
今回、データクリーンルーム機能の提供を開始したAppsFlyerはアプリマーケティングの効果計測ソリューションを提供するイスラエル発のテクノロジー企業。昨今アプリマーケティングにおいても、データクリーンルームが必要とされているのだという。日本でのローンチに際して来日したAppsFlyerのAPACプレジデント&マネージングディレクターのローネン・メンス(Ronen Mense)氏はアプリマーケティングにおけるデータクリーンルームの必要性を次のように説明する。
「モバイルアプリには端末ごとに発行される広告識別子がある。iOSではIDFA(Identifier for Advertisers)、AndroidではGAID(Geoogle Advertising ID)があるが、個人情報保護の流れの中で、利用が制限されてきた。個人情報保護に配慮をしつつ、いかにマーケティング成果を維持し続けるかがマーケターの課題になっている」と話す。
特にアプリマーケティングの場合、新規顧客獲得のダウンロードの段階だけでなく、ダウンロード後の利用継続、ロイヤル化のマーケティング施策も欠かせない。これまでユーザー向けのマーケティング施策においては、前述の広告識別子を用いて、他のアプリ内でも対象ユーザーに広告配信を行うことが一般的だったが、識別子の利用が困難になってきたのが現在の状況だ。
新規顧客獲得時、そしてダウンロード後の利用促進、LTV向上のための双方の施策で、アプリマーケティングにおいては広告識別子を利用しない新たな手段が求められていた。
ローネン・メンス氏は「データクリーンルームは世界的に、プライバシーファーストの時代に即したマーケティングの打ち手として注目されている」と話す。
さらに「今回、当社がリリースしたデータクリーンルームは、AppsFlyerの次世代型プラットフォーム『AppsFlyerプライバシークラウド』の柱となるソリューション。アプリデベロッパーはデータクリーンルームを活用することで、安全が担保された環境下で、自社が持つ1stPartyデータと外部のデータを...