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ニューノーマル時代のトレードマーケティング

販促事例を横展開「マイクラフトベーカリー」売り場獲得の秘訣

安田憲正氏(フジパン)

消費者が仕上げの工程を行うことで完成する「マイクラフトベーカリー」は発売当初、その商品コンセプトを理解してもらうことに苦労したという。販促や売り場でのコミュニケーションを通して、その課題をどのように解消し定番化させていったのか。取り組みについて、安田氏に聞いた。

2020年の登場以降、新ブランドとして成長を続ける「マイクラフトベーカリー」。焼き立ての味を家で楽しめる。

商品理解促進のため店頭施策を強化

──「マイクラフトベーカリー」について教えてください。

「マイクラフトベーカリー」は、購入後にトースターで焼き上げることで完成するパンです。2021年6月に全国に販路を拡大し、今年の6月1日に全面リニューアルを行い、2年弱で累計1460万袋を販売しております。

毎月全国合わせて50~60品の新商品を出しても、パン業界はほぼ2か月で終売するので、新商品は1年間でもほとんど残りません。「マイクラフトベーカリー」は2年続いていますが、ブランド規模としては成長段階です。

──商談時、小売からの反応はいかがでしたか。

リアクションはとてもよかったです。発売時がちょうどコロナ禍真っ只中だったので、外に出る機会が制限されていておうち需要が高まっていた。家で焼き立てのパンが食べられるので、「そうそうこういうのが欲しいんだよ!」という感じで、商談の感触はかなりよかったですね。

また、ARを使った販促も同時に行っていて、QRコードをスマホで読み込むとキャラクターが出てきて使い方を説明してくれる仕組みをつくりました。フジパンとして初めての取り組みでしたが、商談においてデモンストレーションした際も好評でした。また、4品展開になった際はコーナーで複数品展開した方が1品あたりの購入数が増えるなどのデータを示しながら商談をしました。

──商談はスムーズでしたが、なにか課題はありましたか。

お客さまの商品理解促進に苦労しました。ARは施策として実施して、商談受けはかなりよかったのですが、閲覧結果を見ると想定値より少なめでした。また、自分で焼いて完成させるというコンセプトが伝わらず、焼かずに食べてしまうというお客さまもいました。

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