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SNSスキルアップ・ガイド

ヒントは「友達づくり」 自社に適したキャラ設定とは

北田有一(電通)

SNS投稿のトンマナがそろわない、親しまれていない──。そんな時に意識したいのが人格、キャラクター。ゼスプリの人気キャラ「キウイブラザーズ」の生みの親、北田有一氏に、企業に適したキャラ設定の極意を聞いた。

スーパーで果物売場を見た時、キウイはバナナやリンゴなどカラフルで魅力的な他の果物に比べ、暗くて地味な見た目をしています。しかし割ると、中は黄色や緑で色鮮やか。「おいしそうなのに、もったいない」。ゼスプリのコミュニケーションで、キャラクターを開発するにあたっては、この発見を大切にしました。

キウイブラザーズ誕生秘話

見せたいポイントは、キウイを割った中身。パペット風のキャラクターにし、口元を断面にしました。

キウイは生鮮食品なのでターゲットは特定の人ではなく、老若男女すべての人でした。誰もが共感できるのは、中高生くらいの時の感情である、という考えから、キウイブラザーズは、18歳くらいの若者という設定にしました。子どもは憧れ、大人は懐かしさを感じる、そんなキャラクターです。

郷に入れば郷に従え

SNS運用を含め、広報・広告活動においては、まず各プラットフォームや媒体ごとの特徴、そこにいる人たちが求めていることを、正しく把握する必要があります。次に、そのプラットフォームで企業あるいはキャラクターが生活者にとって、どのように有益なことができるか、を考えることが大切になります。つまり「自分が生活者だったら」と常に想像して発信するといいと思います。

友達になりたいかどうか

企業アカウントだと、どうしても知らせたいことや真面目な内容もあると思いますが、世の中の人はキウイの栄養素について知りたくてフォローしているわけではありません。広報活動においては「ちゃんとしなくちゃ」という思いが、どうしても出てきてしまいがちですが、真面目過ぎるととっつきづらいのです。人間同士でも同じですよね。守りに入るのではなく、決めたキャラ設定を突き詰めてみるということが大切だと思います。キャラを活かしながら、どうすればターゲットが友達になりたいと思うかを考える、ということです。

キウイブラザーズのTwitterは、「面白いやつだな」と思われるようにしました。“友達”の中にも、面白い、真面目、優しいなど、多様な性格の人がいると思います。高級ブランドの公式アカウントが、砕けた口調で投稿していたら、違和感を覚えますよね。キャラクターは、自社のタイプにあった性格に設定するとよいでしょう。

そして、生活者と関係を築き、“友達”になった後に、真面目な話や伝えたい情報を発信すると、普通に言うより、相手の心に響くようになります。

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