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OND°にデザイン部が合流 100人規模のクリエイティブユニットへ拡張

OND°

企画演出・編集・撮影など専門人材を束ねる東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」。5年目を迎える今年、デザイン部も合流し100人超の組織となって進化し続けている。社内外問わずさまざまな案件に取り組み、デジタル領域などにも活躍の場を拡張している。

100人を超えるOND°のメンバー。

各領域のプロが自在にコラボする組織に

東北新社は2018年7月、テレビCMをはじめ映像業界を牽引するクリエイターの輩出を目指し、社内のディレクター、エディターを集結させた新組織「OND°」を設立した。ディレクター33人、プランナー10人、エディター15人からスタートし、翌2019年には新たにティーエフシープラス所属のカメラマン10人のマネジメントも開始。立ち上げから4年を経た2022年にはアートディレクター、デザイナーらが活躍するデザイン部も合流、総勢約100名のクリエイティブユニットへと拡大している。

「メディアも多様化し、領域がクロスオーバーする仕事も増えてきました。OND°には多様なクリエイティブ人材が集まっていて、より連携しやすい体制となっています。企画段階で相談していただければ、チームの座組みから提案することもできます」と説明するのは、企画演出部長/チーフディレクターの小栗洋平さんだ。

今回デザイン部のメンバーが加わったことで、企画演出部が制作するムービーとグラフィックの連動、編集部とのモーショングラフィックスの制作、カメラマンとのグラフィック案件などが強化された。さらに商品やキャラクターの開発なども含めたプランニングが可能に。「従来はCMを起点としたコミュニケーションからキャラクターが生まれることが多く、結果的に同一の素材を販促にも使うケースが多かった。今後はデザイン部からもシームレスに提案していけたらと思います」とデザイン部アートディレクター 榎本弐輝さんは語る。

このようにOND°を通じて、各領域のプロたちが対応力を強化しつつある。編集部も以前はオフライン編集が中心だったが、現在はオンライン編集まで完結させることが増えた。「あわせて演出までトータルで考えて提案してほしい、と相談を受けることも。以前に比べ、単一の種目というより“十種競技”のようにやるべきことが増えています」(編集部長 川村達哉さん)。

カメラマンの山田晃稔さんも同様に、新たな領域の開拓へと意欲を見せる。「社外からOND°に声がかかる機会が増えているのはありがたいこと。カメラマンは職人気質というイメージがあるかもしれませんが(笑)、もっとコラボレーションできる場を広げたいです」(山田さん)。

バーチャルプロダクション撮影の実績も

近頃はアートディレクター、CMプランナーなど従来は広告会社内で完結していた役割を制作会社側が担うことも増え、デザイナーが所属することで、クライアントとの直取引の案件などの実績も増えてきた。

「直接仕事を受けた際、チーム全体のスタッフィングからアイデアの提案まで一気通貫でできるのは大所帯であるOND°ならではの強み。さらにグループ会社のオムニバス・ジャパン、ENJIN TOKYO、モバーシャルなどとも連携しながら仕事の幅をどんどん広げていきたいですね」(クリエイティブプロデュース部長 田邉香寿恵さん)。

特に近年は、新たな領域の仕事も増加傾向にある。「バーチャルプロダクションといった新しい技術の取り組みや、角川武蔵野ミュージアム内のプロジェクションマッピングのように、広告案件に限らずデジタル領域にも力を入れています」と小栗さん。

東北新社と電通クリエーティブX、ヒビノ、電通クリエーティブキューブの4社で推進するプロジェクト「メタバースプロダクション」の一環として、5月31日に公開したムービー「Vocument #1『今、映画監督オダギリジョーが立つ場所。』」もそのひとつ。映画監督・オダギリジョーの次回作の構想に密着した内容だが、全編をバーチャルプロダクションで撮影した。終盤にはその技法の種明かし自体もコンテンツとして盛り込んでいる。TUGBOAT監修のもと、小栗さんをはじめ企画演出部・撮影部などOND°のメンバーと、オムニバス・ジャパンのCGクリエイターが連携し実現した。

さらにクリエイティブの幅は、映画や地上波のドラマ制作にも及ぶ。東北新社が運営する映画専門チャンネル「スターチャンネル」で7月から配信されるドラマの制作もそのひとつ。DREAMS COME TRUEの楽曲をドラマ化する企画「5つの歌詩(うた)」のキービジュアルをデザイン部が監修。その中で、『マスカラまつげ』の歌詞をもとにした#2ではOND°のメンバー 小野田玄さんが監督を務めている。

クリエイティブに関する技術革新が進み、誰でも映像クリエイターになれる今。その中でプロとして質の高い仕事を提供し続けていくことも、OND°の重要なミッションだ。「専門性の高い人材が集まるからこそ、クリエイティブの本質をしっかり継承していける場であるべきだと考えています。人材を育て、輩出し業界に貢献することが、私たちの一番の存在意義。理想は、OND°があらゆるクリエイターの登竜門のような存在になること。プロたちが持続的にクリエイティビティを発揮できる環境づくりに貢献していきたいですね」(小栗さん)。

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