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『瞬間消費』時代の「広告」と「販促」

グーグル提唱の「パルス型消費」を継続購入につなげるメカニズムとは?

小林伸一郎氏、朴 ヨンテ氏(グーグル)

スマートフォンの普及により生活のあらゆる場が“買い場”となった時代。2018年にグーグルが提唱した「パルス型消費」は、コロナ禍を経てどのような変化が起きているのか。そして「パルス型消費」時代のセールスプロモーションとは。グーグルのコンシューマーマーケットインサイトチームが解説する。

コロナ禍で加速した「パルス型消費」購買は生活動線から生活連想へ

デジタルの普及は人々の消費行動に大きな影響を与えた。日々、膨大な量の情報に接する時代、このような中でグーグルが提唱した新しい消費行動が「パルス型消費」だ。

「パルス型消費」とは、人々が商品やサービスにかかわる様々な情報を常に探索している環境下で、とある商品・サービスに対し潜在的に期待しているメッセージに「出会った(=ピンときた)」と感じた時に、直感センサーが発動し購入を決定する、という直感的な消費行動を指している。

「パルス型消費」を提唱したグーグルの小林伸一郎氏は、この背景には「個々人の情報環境のモバイル化」と「ECの進展」の2つの要因があるという。

「この2つの要因により、24時間365日が買い物のタイミングとなりました。“情報を探す場”と“購入する場”の双方がモバイル端末に組み込まれたことが、『パルス型消費』を引き起こした大きな要因だと考えています」と話す。

コロナ禍での、①購買行動を含む人々のオンライン上での行動増加、②ステイホームによる家庭内の環境改善への意識の高まり、という大きく2点の理由から、「パルス型消費」を体験する人が増加。これによりコロナ禍を経て「パルス型消費」は加速したという。

「リモートワークの増加により、人々の買い物は『生活動線』から『生活連想』に基づくものへと変化しました。職場から自宅に帰る動線上で買い物するという体験を、ほとんどの人がしたことがあると思うのですが、『生活動線』に基づく買い物はある種、意識的にしろ無意識的にしろ計画性があり、多くの人が同じ思考で行動する“社会的共通体験”でした。これに対し、『生活連想』は、人々がランダムに生活の中で連想することにより、起こる購買フローです。そのため、計画性はなく、“個人に依存した体験”となります。このような購買フローの快適さに多くの人が気づいたことも、『パルス型消費』の加速につながったのではないでしょうか」(小林氏)。

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