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EDITOR'S CHECK

黒龍堂「LEVA」ほか、注目のデザインの裏側

PACKAGE
黒龍堂「LEVA」

  • 企画制作/博報堂+HAKUHODO DESIGN
  • CD+AD/柿﨑裕生
  • C/桃井菜穂
  • D/大利光輝、仲子祐希
  • Pr/菊地孝幸、山﨑瑠惟
  • 撮影/早川佳郎(製品)、伊藤元気(人物)
  • ST/KOTARO
  • HM/NAO YOSHIDA
  • スタジオ/早川佳郎写真事務所、イイノ広尾スタジオ-5st
  • CAS/島名大介
  • コンサルタント/山口綱士
  • AE/竹本友美、尾形郁俊、佐川明香里
  • 製版+印刷/精英堂印刷

男性向けコスメ市場が広がっている。TPCマーケティングリサーチによると特にファンデーションなどのメイク分野の伸びが著しく、2021年の市場規模は前年比37.9%増の20億円となった。老舗化粧品メーカー、黒龍堂が3月に発売したブランド「LEVA(レヴァ)」もそのひとつ。展開するのは眉を描くアイブロウ、肌を補正するBBスティック、テカリを防止するフェースパウダーの3種。商品開発からロゴ、パッケージデザインまで手がけたのは、HAKUHODO DESIGNの柿﨑裕生さんのチームだ。

柿﨑さんは20代のデザイナーらとともに18〜21歳の男性にグループインタビューを実施。コロナ禍で増えたオンライン就活のシーンなども想定し、日常使いをしつつ自分自身に一段上のギアが入るようなアイテムを目指した。ブランド名は「レベルアップ」に由来し、英字が連なるロゴもその勢いを表現している。

最もこだわったのは、マットな手触りの本体パッケージ。色は真っ白ではなく限りなく白に近いグレーに。シンプルさに定評のある既存ブランドに見劣りしないよう、質感を追求した。一方、箱を開けるとアイテムごとに色とりどりのカラーが広がる。「目指したのは“Joyful”と“Diversity”の両立。開封した瞬間に楽しい日常が手に入るイメージがわき、ブランドがもたらす価値を感じ取ってもらうことが狙いです。性別のイメージを固定しないよう、無数の色の組み合わせを試しました」。

流通はECサイトが中心のため、プロダクトカットにもこだわりが。実写ながらCGのような無機質さも感じる。「あえてガジェットやプラモデルの説明書のような佇まいにしました。デジタルネイティブにとってなじみのある、2.5次元の世界を意識した部分もあります。フラットな平行投影法で斜めにプロダクトを連ねることでブランド名のとおり“レベルアップ”感を増しています」。

3月の発売後、売上は堅調だ。「メンズ向けは20歳前後で最初に手に取ったブランドを長く愛用することが多いので、いかにメイクの“原体験”をつくりスタンダードなアイテムにできるかが重要。就職活動や新生活を機に使い始め、験を担ぐような存在になったら嬉しいですね」。

LOGO
創喜「チャリックス」ロゴマーク

  • CD+AD+D/森田賢吾
  • CD/森田仁美
  • アニメーション(ロゴ)/川村智也

創業90年以上の靴下工場である創喜は2月、自転車の動力で...

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