消費者にも、社員にも 新たなイメージを定着させたい
キヤノンは11月12日、国内向けシリーズ企業広告「Find Your Focus〜ひろげよう。まだない視界を〜」を開始した。シリーズの第1弾として、患者さんや医療従事者を支える「医療AI篇」のテレビCMを12月31日まで全国で放送している。
キヤノンは現在、中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想」を5カ年で進めている。2021年はフェーズⅥのもと、構造改革を推進。市場の変化に伴いカメラやプリンターといった既存事業が縮小していく中、昨年までのフェーズⅤからは「戦略的大転換」を大方針に掲げ、M&Aなどによる新規事業の獲得・強化を行ってきた。今年始動したフェーズⅥにおいてもその流れを引き継ぎ、新事業創出によるポートフォリオの転換を進めている。
しかし、多くの人が持つキヤノンに対する世の中のイメージは、依然として“カメラとプリンターの会社”。ステークホルダーに、これから先も継続してキヤノンへの好感や期待感を持ってもらうため、今後拡大していく“それ以外の事業”も広く知ってもらう必要性を感じていた、と同社・宣伝部の平井由有氏は話す。
「“新しく生まれ変わるキヤノン”の姿を、活力の感じられるメッセージとクリエイティブで具現化することで、社員にとっても自社で働く原動力になればよいと考えました。新しいイメージの定着には長い年月が必要です。そこで、同一コンセプトのシリーズ展開の形で、事業、製品、ソリューションを一つずつ紹介していくことにしました」(平井氏)。
元来、キヤノンは多角化の歴史をもつ企業。コアコンピタンスであるイメージング技術を大切にしながら、それを時代の変化、世の中のニーズに合わせて進化させ、最先端の技術や製品を通じて世の中に貢献してきた企業風土がある。
「キヤノンはカメラやプリンターなどのイメージが強かったかもしれません。しかし、DXの潮流により社会が急速に変化していく中、イメージング技術とIT技術の連携によって、これからは社会を捉える“目”となり、個人だけでなく、ビジネスなどにおけるチームや企業、地域、産業といったさまざまなスケールでの課題解決に貢献していきます。今回最も狙いたいのはそうしたイメージの転換。世の中がキヤノンに対して抱いているイメージを刷新したいと考えています」(平井氏)。